勉強のやる気がない子どもに大人ができること【山梨県甲府市ライト学習塾】
2026/09/21
山梨県甲府市飯田にあるライト学習塾教室長の吉矢です。
「子どもに勉強のやる気がありません」
学習塾で仕事をしていると、保護者の方からこのようなご相談を受けることがあります。何度言っても勉強を始めない。宿題を後回しにする。テストの点数が悪くても、本人はあまり気にしていないように見える。そんな姿を見ていると、保護者の方が焦ったり、強い言葉をかけたくなったりするのも無理はありません。
しかし、「やる気のない子」と決めつける前に考えたいことがあります。
その子には本当に何に対してもやる気がないのでしょうか。それとも、今のところ「勉強する意味」や「自分にもできそうだという感覚」を持てていないのでしょうか。
今回は、これまで多くの生徒を指導してきた経験を基に、勉強へのやる気が見えない子どもに対して、大人が何をできるのかを考えます。
やる気を外から押し込むことは難しい
私が子どもだった頃と現在とでは、子どもへの接し方や教育の考え方が大きく変わりました。
私自身は、学校で教師から平手打ちを受けるような指導が、現在ほど大きな問題として扱われていなかった時代に育ちました。もちろん、現在では学校でも家庭でも、体罰によって子どもを従わせることは認められません。
では、叩いたり強く叱ったりしなければ、子どもは自分から学ぶようになるのでしょうか。
残念ながら、話はそれほど単純ではありません。
「勉強しなさい」と繰り返せば、一時的に机へ向かわせることはできるかもしれません。しかし、大人に怒られないためだけに取り組んでいる状態では、大人が見ていない場所で続けることは難しくなります。
だからといって、すべてを本人の自由にして、やる気が出るまで待てばよいわけでもありません。子どもには、まだ将来の見通しを十分に立てられない時期があります。必要な学習習慣や守るべき約束については、大人が枠組みを示す必要があります。
大切なのは、「無理やりやらせる」か「本人任せにする」かの二択にしないことです。大人が環境やきっかけを用意し、その中で子ども自身が、小さくても「やってみよう」と思える状態をつくることが必要です。
「塾に行きたい」と自分から言う子は多くない
学習塾へ通い始める理由は、生徒によってさまざまです。自分から「もっと勉強したい」「わからないところを教えてほしい」と言って通い始める子もいます。また、「このままのテスト結果ではまずい」と危機感を持ち、自分から塾を希望する子もいます。理由が前向きな興味であっても、成績に対する危機感であっても、本人の中に「変わりたい」という気持ちがあれば、指導は始めやすくなります。
一方で、実際には「保護者に言われたから仕方なく来た」という子も少なくありません。
そのような子は、学力や集中力以前に、先生の話を受け入れる準備ができていないことがあります。問題を渡してもすぐにペンを置く。宿題を出してもやってこない。何を教えても「別に」「わからない」で終わってしまう。この状態で授業内容だけを先へ進めても、なかなか成果にはつながりません。まず、その子が何に興味を持ち、どのようなことなら少し動けるのかを知るところから始める必要があります。
「親に言われたから来た」と話した生徒
ここで、以前私が担当した一人の生徒についてお話しします。その生徒は中学1年生の終わり頃、英語と数学の授業を受けるために塾へ来ました。しかし、本人には勉強する気がほとんど見られませんでした。授業中でもすぐにペンを置いてしまい、宿題もほとんどやってきません。そして本人から、はっきりと「親に言われたから仕方なく来ている」と言われました。
こうなると、通常通りに授業を進めること自体が難しくなります。こちらも、どうすれば問題へ手を伸ばしてくれるのかを探しながら、授業時間の多くを会話をするコミュニケーションに使っていました。
その子がよく話していたのが、モンスターを狩るゲームのことでした。
ちょうど学校の理科で動物の分類を学ぶ時期だったため、ゲームに登場するモンスターの特徴と、理科で学ぶ動物の分類を結びつけて話してみました。すると、普段の英語や数学の授業とは明らかに違う反応が返ってきました。
「この話なら少し興味を持てるかもしれない」
そう考え、保護者の方と相談し、授業科目を一時的に理科へ変更することを提案しました。授業を増やす方法もありますが、その生徒の場合は負担が大きくなると判断し、英語・数学の一部を理科へ変更しました。
もちろん、科目を変えた瞬間からすべてが順調になったわけではありません。それでも、次の定期テストで、その子は理科の平均点を取ることができました。
一つの成功が、その子の見方を変えた
平均点を取ったことは、ほかの生徒にとっては特別な結果ではなかったかもしれません。しかし、その子にとっては大きな意味がありました。
「自分は理科ならできる」
そんな気持ちが生まれ、理科に対して少しずつ自信とプライドを持つようになったのです。
理科の点数が良ければ、嬉しそうに先生へ報告してくれるようになりました。逆に思うような点数が取れなければ、本気で悔しがるようになりました。
中学2年生の頃は、まだ受験に対する意識が高いわけではなく、ほかの教科にはなかなか手が回りませんでした。それでも中学3年生になると、自分の進路について少しずつ考えるようになり、「自分も公立高校へ行きたい」と話すようになりました。得意になった理科を足掛かりにして、数学やほかの教科にも取り組むようになり、最終的には公立高校へ合格しました。
卒業するときに、その生徒が「今まで面倒を見てくれてありがとうございました」と言ってくれたことを覚えています。それまでの姿を知っていた先生たちにとって、とても印象に残る言葉でした。
ただし、「好きなことと勉強を結びつければ、どの子もすぐに成績が上がる」という単純な話ではありません。この生徒の場合も、興味を持つきっかけを見つけてから、結果が出て、ほかの教科へ広がるまでには時間がかかりました。それでも、一つの興味と一つの成功体験が、本人の中にあった「どうせ自分にはできない」という見方を変えるきっかけになったのだと思います。
やる気のない子には「やる気の出し方」が必要
この経験から、私が大切だと考えていることがあります。
やる気のない子には、やる気を出せと求めるだけでなく、やる気の出し方を一緒に探す必要がある。
子どもが将来やりたいことを明確に持っていれば、それと学習を結びつけることができます。しかし、中学生の段階で将来の目標が決まっていない子は珍しくありません。その場合は、遠い将来の夢を無理に決めさせるより、今その子が興味を持っていること、少し得意なこと、取り組めそうなことを探す方が現実的です。学習意欲については、自分で選んでいるという感覚、自分にもできるという感覚、周囲との安心できる関係が大切だと考えられています。
先ほどの生徒でいえば、ゲームへの興味が学習への入口になり、理科で平均点を取ったことが「自分にもできる」という感覚につながりました。そして、保護者と塾が相談しながら科目を変更したことで、その子に合う学び方を探すことができました。最初から勉強そのものを好きにさせようとしなくても構いません。「これなら少しわかる」「前よりできた」「次もやってみよう」という小さな変化を積み重ねることが、やる気の土台になります。
家庭でできる5つの関わり方
①何に時間を使っているかを観察する
ゲーム、動画、スポーツ、絵、音楽、生き物、乗り物など、子どもが自分から調べたり話したりするものには、興味の入口があります。
すぐに「それが勉強に何の役に立つのか」と否定するのではなく、何が面白いのかを聞いてみてください。その関心が、直接教科へつながることもあれば、集中できる条件を知る手掛かりになることもあります。
②最初の目標を小さくする
「次のテストで全教科80点」「毎日2時間勉強する」といった大きな目標は、現在ほとんど学習していない子にとって遠すぎます。
まずは、計算問題を3問解く、英単語を5個覚える、10分だけ机に向かうなど、実行できる大きさまで下げます。
やる気が出てから始めるのではなく、始められる大きさにすることで、小さな達成感が次の行動につながります。
③決められる部分を残す
勉強するかどうかをすべて本人任せにする必要はありません。しかし、「数学と英語のどちらから始めるか」「夕食の前と後のどちらにするか」「この3問のうちどれから解くか」など、選べる部分を残すことはできます。
大人が必要な枠組みを示し、その中で本人が選ぶ形にすると、押し付けられている感覚を少し減らせます。
④結果だけでなく変化を具体的に伝える
点数だけで評価すると、結果が出るまで褒められる機会がありません。
「前より早く始められた」「途中式を書けた」「わからないと言えた」「間違いを直せた」など、行動や過程の変化を具体的に伝えましょう。
ただ「すごい」と言うより、何が良くなったのかを伝える方が、子ども自身も次に続ける行動を理解できます。
⑤やる気がない理由を一つに決めつけない
勉強しない理由は、怠けだけとは限りません。
問題が難しすぎる、基礎でつまずいている、何から始めればよいかわからない、失敗するのが怖い、疲れている、生活のリズムが乱れている、人間関係に悩んでいるなど、さまざまな可能性があります。
強い疲れや気分の落ち込み、睡眠の乱れ、学校へ行けない状態などが長く続いている場合は、勉強への意欲だけの問題と考えず、学校や医療・相談機関などへ相談することも必要です。
興味に合わせることと、楽なことだけさせることは違う
子どもの興味を学習の入口にするというと、「好きなことだけをさせればよいのか」と思われるかもしれません。
そうではありません。興味は、学習を始めるための入口です。入口から入った後には、覚える、書く、間違いを直す、繰り返すといった地道な学習が必要になります。
先ほどの生徒も、ゲームの話をしていただけで理科の点数が上がったわけではありません。興味を持った内容から教材へつなげ、問題を解き、間違いを直したからこそ、テストの結果につながりました。大人の役割は、子どもの好きなことに合わせて何でも楽しくしてあげることではなく、「少しやってみよう」と思える入口を探し、そこから必要な努力へつなげることだと考えています。
塾へ通わせれば、やる気が出るとは限らない
塾へ入れば、自然にやる気が出て成績が上がるとは限りません。
本人が納得しないまま通い始めた場合、新しい環境そのものを拒否することもあります。だからこそ、入塾前には、なぜ塾へ行くのか、本人が何に困っているのか、最初に何を目指すのかを話しておくことが大切です。
ただし、最初から本人の十分な納得を得られない場合もあります。その場合でも、「まず体験授業を受けてから考える」「英語と数学のどちらを習うかは本人に選ばせる」など、小さな選択肢を用意できます。
塾側にも、生徒の態度だけを見て「やる気がない」と判断するのではなく、どこでつまずき、何になら反応し、どのくらいの課題なら取り組めるのかを探す役割があります。
子どものやる気は、見つけて育てていくもの
子どものやる気が感じられないとき、大人は「本人が自分で考えるべきだ」と思うことがあります。確かに、最終的に学ぶのは子ども自身です。しかし、何を目標にすればよいのか、どう始めればよいのか、自分の得意なことは何なのかを、子どもだけでは見つけられないこともあります。
そのときに必要なのは、叱って無理に動かすことでも、何もせずに待ち続けることでもありません。子どもが何に興味を持っているのかを観察する。できる大きさの課題を用意する。本人が選べる部分をつくる。小さな変化を具体的に伝える。そして、できた経験を次の学習へつなげる。やる気は、最初からあるか、ないかで決まるものではありません。関わり方と経験によって、少しずつ育てられるものだと私は考えています。
ライト学習塾では、生徒一人ひとりの現在の理解度や興味、性格を見ながら、まず取り組めるところを探します。そして、答えだけを教えるのではなく、自分で考えて書き、できたことを本人が確認できる授業を大切にしています。
甲府市やその周辺で、「子どもが勉強しようとしない」「塾へ行かせても続けられるか心配」とお悩みの場合は、ぜひ一度ご相談ください。
ライト学習塾教室長
吉矢武司
参考資料
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ライト学習塾
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