山梨県の「校長会テスト」「教達検」って何だろう?【山梨県甲府市ライト学習塾】
2026/10/01
山梨県甲府市飯田にあるライト学習塾教室長の吉矢です。
私は兵庫県出身で、兵庫県・長野県での講師経験を経て、現在は山梨県甲府市で学習塾を運営しています。
山梨県で中学生の指導をするようになって、「これは今までいた地域とは違うな」と感じたものの一つが、中学3年生が受ける「校長会テスト」や「教達検」です。
山梨県で育った方にとっては当たり前の言葉かもしれません。
しかし、兵庫県出身の私には最初、
「校長会テストって何?」
「教達検って何?」
「高校入試とは違うの?」
というところからのスタートでした。
そこで今回は、山梨県の「校長会テスト」と「教達検」について、インターネット上で確認できる資料を中心に調べてみました。
※この記事は、山梨県や教育委員会などから公式に制度の説明を受けて作成したものではありません。学校・自治体・教育関係機関などが公開している情報をもとに、ライト学習塾が独自に調べ、考察した内容を含みます。特に過去の制度については確認できない部分もあるため、ご了承ください。
そもそも「校長会テスト」「教達検」とは?
どちらも、中学3年生が高校受験を考えていくうえで重要になるテストです。
学校の定期テストとは異なり、中学校でそれまでに学習してきた内容を広く出題する、いわゆる「実力テスト」に近い性格を持っています。
そして山梨県で特徴的なのが、一般的な塾や模試業者が実施する模擬試験とは違い、中学校で実施され、その後の進路指導でも重要な資料として扱われていることです。
山梨県外出身の私からすると、ここがまず興味深いところでした。
甲府市では「校長会テスト」
現在、甲府市の中学3年生には、
・8月 サマーテスト
・10月 校長会テスト
・1月 校長会テスト
という大きな流れがあります。
特に「校長会テスト」は、その名前の通り、甲府市の中学校側の進路指導と深く関わっているテストです。
高校入試そのものではありませんので、「校長会テストで○点だったから高校に○点加算される」というものではありません。
しかし、志望校を考える際の重要な資料の一つになります。
そのため甲府市の中学3年生にとっては、「学校の定期テストとは別の大切なテスト」という位置づけになります。
甲府市外では「教達検」
一方、甲府市の外に目を向けると、よく聞くようになるのが「教達検(きょうたつけん)」です。
正式には「教育課程到達度確認検査」と呼ばれています。
現在、山梨県教育研究所のホームページにも「教育課程到達度確認検査資料」というページがあり、実施要項や申請書などが公開されています。
例えば甲斐市の中学校を見ると、10月に第1回、11月に第2回の教達検が実施されています。
つまり現在は、大まかに見ると、
甲府市 → サマーテスト・校長会テスト
甲府市外 → 教達検
という違いがあります。
同じ山梨県の中学3年生でも、住んでいる地域によって受ける進路関係のテストが違うということになります。
なぜ甲府市だけ違うのだろう?
ここからが、今回調べていて私自身が一番気になったところです。
「なぜ甲府市だけ校長会テストなのだろう?」
という疑問です。
山梨県には高校入試があります。
同じ県立高校を受験するのであれば、受験する入試問題は基本的に共通です。
ところが、そこへ向かう中学校側の進路指導では、甲府市とそれ以外で異なるテストが使われています。
調べてみると、甲府市では「甲府市中学校進路指導連絡協議会」という進路指導に関係する組織への参加とともに、サマーテストや校長会テストが実施されていることが県の公開資料からも確認できます。
一方、教達検については、山梨県教育研究所が現在、実施に関する資料を公開しています。
つまり、現在の校長会テストと教達検は、単純に「同じテストを地域によって違う名前で呼んでいる」というものではなさそうです。
実施される時期も違います。
昔から甲府市だけ違ったの?
ここで、さらに疑問が出てきました。
「この違いは昔からなのだろうか?」
ということです。
今回いろいろ調べてみたのですが、古い学校資料はインターネット上にほとんど残っておらず、制度がいつ始まったのかまでは確認できませんでした。
ところが、山梨出身の知人の方に話を聞いてみると、
「25年ほど前、現在の甲斐市にある中学校でも『校長会テスト』と呼ばれていた」
という話が出てきました。
現在の甲斐市では教達検が実施されています。
もし当時の記憶が正しければ、
「昔は現在の甲斐市でも校長会テストだった」
↓
「現在は教達検になっている」
ということになります。
では、いつ変わったのでしょうか?
残念ながら、ここについては今回のネット調査だけでは答えを見つけることができませんでした。
2010年前後には現在に近い形が見えてくる
古いインターネット資料を調べていくと、2010年前後になると「教育課程到達度確認検査」や「教達検」という言葉を確認できるようになります。
2010年には大月市の中学校で教達検が実施された記録が残っています。
そのため、少なくとも2010年前後には、甲府市外で現在につながる教達検の仕組みが存在していたことが分かります。
一方で甲府市については、それ以前から「校長会テスト」という名称を確認することができます。
つまり、
昔の山梨県ではどの地域がどのような共通テストを実施していたのか
いつ現在の「甲府市は校長会テスト、それ以外は教達検」という形になったのか
については、まだ調べる余地がありそうです。
甲府市は教育の区分でも少し特殊?
もう一つ興味深いのが、教科書です。
公立小中学校で使用する教科書についても、山梨県内はいくつかの採択地区に分かれています。
その中で甲府地区は、甲府市だけで一つの地区を構成しています。
一方、例えば中巨摩地区では甲斐市、南アルプス市、中央市、昭和町など、複数の自治体が一つの地区になっています。
もちろん、
「教科書の採択地区が違うから校長会テストも違う」
ということではありません。
ただ、山梨県の教育制度を見ていくと、甲府市が単独の教育圏として動いている部分があることは興味深いところです。
校長会テストと教達検が分かれている背景にも、こうした山梨県内の教育組織や地域区分の歴史が関係しているのかもしれません。
ただし、この部分については資料から確認できた事実ではなく、今回調べていて感じた一つの疑問です。
では、校長会テストや教達検は「模試」なの?
県外出身者に説明するときには、
「中学校で受ける、高校入試を意識した地域共通の実力テスト」
くらいに考えると分かりやすいかもしれません。
ただし、塾などで申し込む一般的な模試とは少し違います。
学校で実施され、学校側が生徒の学力を確認し、その後の進路指導にも活用します。
その意味では、
「教育委員会や学校が行う模試?」
と思ってしまいそうですが、それも厳密には少し違います。
今回調べた範囲では、実際に誰が問題を作成しているのかなど、細かな部分までは公開情報から確認することができませんでした。
ですから、「○○が問題を作っているテストです」と断定することは避けたいと思います。
山梨県の高校受験を知るうえで大切なテスト
山梨県で学習塾を始めて感じるのは、同じ「高校受験」でも地域によって文化や仕組みがかなり違うということです。
私が育った兵庫県では、「校長会テスト」「教達検」という言葉を聞くことはありませんでした。
ところが山梨県では、中学3年生になると校長会テストや教達検の結果を意識しながら志望校を考えていくことになります。
高校入試の過去問だけを見ていても、こうした地域独自の仕組みまでは分かりません。
山梨県で生徒を指導する以上、入試問題だけではなく、こうした「山梨県の受験の文化」についても理解していく必要があると感じています。
そして今回調べてみて、
「校長会テストはいつから始まったのか?」
「教達検はいつから始まったのか?」
「なぜ甲府市だけ現在も別の仕組みなのか?」
「昔の甲斐市で行われていたという校長会テストは、現在の甲府市のものと同じだったのか?」
など、まだ分からないこともたくさん出てきました。
インターネット上だけでは、古い学校資料には限界があります。
もし昔の山梨県の中学校事情をご存じの方がいらっしゃいましたら、
「自分の頃はこんなテストだった」
というお話もぜひ聞いてみたいところです。
地域の教育について調べてみると、今では当たり前になっている制度にも、意外と長い歴史が隠れているのかもしれません。
山梨県甲府市のライト学習塾では、これからも山梨県の高校入試や教育について調べながら、生徒一人ひとりの進路選択をサポートしていきます。
ライト学習塾教室長
吉矢武司
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