山梨県立博物館「かいじあむ」で山梨の歴史と暮らしを学ぼう【山梨県甲府市ライト学習塾】
2026/10/09
山梨県甲府市飯田にあるライト学習塾教室長です。
これまで、山梨県立美術館、山梨県立文学館、山梨県立科学館、山梨県立考古博物館と、山梨県内にある学びの施設をご紹介してきました。
このシリーズの最後にご紹介するのは、笛吹市御坂町にある山梨県立博物館、愛称「かいじあむ」です。
甲府市飯田にあるライト学習塾からは少し離れていますが、山梨県全体の歴史や文化、産業、人々の暮らしを幅広く知ることができる施設です。
山梨県立考古博物館と名前が似ていますが、展示の中心には少し違いがあります。
考古博物館は、発掘された石器や土器、古墳の副葬品などの考古資料から、昔の人々の暮らしを考える施設です。
一方、山梨県立博物館は、考古資料だけでなく、古文書、絵画、生活道具、産業、信仰、災害、自然環境など、さまざまな資料を通して山梨の歴史を幅広く紹介しています。
「山梨の自然と人」がテーマ
山梨県立博物館の基本的なテーマは、「山梨の自然と人」です。
歴史は、人間だけによって作られるものではありません。
山梨県は、周囲を山々に囲まれ、甲府盆地を中心に河川が流れ、地域によって気候や標高も大きく異なります。
その自然環境の中で、人々はどのように水を確保し、どのような作物を育て、道を作り、物を運び、災害に備えてきたのでしょうか。
現在の山梨県では、ぶどうやももなどの果樹栽培が盛んです。しかし、それも単に「山梨は果物が有名」という一言だけでは説明できません。
甲府盆地の地形、日照時間、降水量、昼夜の寒暖差、水はけのよい土地、交通の発達など、さまざまな条件が関係しています。
山梨県立博物館では、自然環境と人々の暮らしを一緒に捉えながら、山梨の歴史や文化について考えられるようになっています。
これは、学校の社会で学ぶ地理と歴史を結び付ける考え方でもあります。
有名な人物だけが歴史を作ったのではない
山梨県の歴史上の人物として、最初に武田信玄を思い浮かべる人は多いでしょう。
武田信玄をはじめとする武田氏は、山梨の歴史を学ぶうえで欠かせない存在です。
しかし、歴史を作ってきたのは、教科書に名前が載っている有名な人物だけではありません。
田畑を耕した人、養蚕をした人、布を織った人、商売をした人、街道を歩いて物を運んだ人、河川の氾濫や飢饉に苦しみながら家族の生活を守った人など、名前の残されていない多くの人々も、それぞれの時代を生きていました。
私たちが現在暮らしている山梨県は、そうした普通の人々の生活の積み重ねによって作られています。
どのような家で暮らしていたのか。
どのような道具を使っていたのか。
何を食べ、何を着て、どのような仕事をしていたのか。
病気や災害が起きたときに、どのように対応したのか。
当時の生活道具や記録を見ることで、有名な人物の活躍だけでは分からない歴史が見えてきます。
歴史の学習では、人物名や出来事の年代を覚えることも必要です。しかし、それだけでは「なぜ社会が変化したのか」を理解することはできません。
その時代を生きた人々の生活に目を向けることで、歴史をより具体的に考えられるようになります。
10月10日から企画展「甲斐絹物語」
2026年10月10日から11月30日までは、企画展「甲斐絹物語」が開催されます。
甲斐絹は「かいき」と読みます。
山梨県の富士山周辺、いわゆる郡内地域を中心に生産された薄手の絹織物で、着物の羽織の裏地などに使われていました。
裏地は、服を着ているときには外から見えにくい部分です。
それでも、色や柄、手触り、織り方に工夫を凝らし、高い技術によって美しい布が作られていました。
企画展では、甲斐絹がどのように生産され、どのように使われていたのかという歴史に加え、和装文化における裏地の役割や、生地そのものの特徴と魅力が紹介される予定です。
甲斐絹の歴史を知ることは、昔の服装を知るだけではありません。
繭から糸を取り、糸を染め、布を織り、商品として各地へ届けるまでには、多くの人が関わっています。
そこから、
- 山梨で養蚕が行われた理由
- 郡内地域で織物業が発達した背景
- 作られた布がどのように運ばれたのか
- 人々の服装が変わることで産業がどう変化したのか
- 昔の技術が現在の山梨の織物産業にどう受け継がれているのか
といった疑問へ広げることができます。
一枚の布から、山梨の産業、交通、生活、技術の変化まで考えられるのです。
見るだけでなく体験できる「かいじあむ」
山梨県立博物館では、展示を見るだけでなく、さまざまな体験や講座も行われています。
「かいじあむ子ども工房」では、昔の暮らしや展示内容に関連した工作、普段はなかなかできない体験などが企画されています。
そのほかにも、体験展示室を使った「寺子屋ひろば」、展示の見どころを案内する常設展スルーガイド、庭の植物を紹介するガイド、初心者向けの古文書講座などがあります。
工作や体験は、楽しい思い出を作るだけのものではありません。
実際に昔の道具や技術に触れることで、
「なぜこの材料を使ったのだろう」
「今の道具と比べると、どこが不便なのだろう」
「当時の人は、どのような工夫をしていたのだろう」
と考えるきっかけになります。
見る、聞く、触れる、作るという複数の体験を重ねると、展示内容も記憶に残りやすくなります。
イベントによって開催日や参加方法、対象年齢、費用などが異なりますので、参加したい場合には事前の確認が必要です。
自分の住む地域の歴史を考えよう
子どもたちにとって、歴史は遠い昔の出来事に感じられることがあります。
しかし、博物館に展示されている資料の中には、自分たちが暮らしている市町村や、普段通っている場所に関係するものもあります。
「この道具は、山梨県のどこで使われていたのだろう」
「自分の住んでいる地域では、昔どのような仕事が行われていたのだろう」
「今も残っている祭りや地名には、どのような由来があるのだろう」
と、身近な地域に置き換えて考えてみてください。
博物館を訪れた後、自宅や学校の周辺にある神社、古い建物、石碑、用水路、昔から続く店などを見ると、それまでとは違った見え方をするかもしれません。
展示を見て終わるのではなく、自分の地域について新しい疑問を持つことが、次の学びにつながります。
公式情報を確認してから訪れよう
山梨県立博物館の公式ホームページは、閲覧する時期や端末によって、表示が不安定になることがあるようです。
展示やイベントの情報は、山梨県公式ホームページ内の「山梨県立博物館」のページにも掲載されています。また、公式のXなどでも最新情報が発信されています。
企画展の開催期間や体験イベントの日程は変更される可能性がありますので、来館前には「山梨県立博物館 かいじあむ」で検索し、山梨県公式ページや公式SNSを含めて最新情報を確認してください。
山梨の魅力を知る施設はほかにもある
今回まで、山梨県立美術館、山梨県立文学館、山梨県立科学館、山梨県立考古博物館、山梨県立博物館をご紹介してきました。
しかし、山梨県内で地域の歴史や文化、産業、自然を学べる施設は、これだけではありません。
例えば、甲府市周辺には、武田氏館跡の歴史や発掘調査について学べる「信玄ミュージアム」があります。
甲府駅に近い山梨県防災新館には、山梨の宝飾産業と職人の技術を紹介する「山梨ジュエリーミュージアム」があります。展示だけでなく、職人による実演や制作体験が行われることもあります。
富士河口湖町には、富士山が世界文化遺産となった理由や、信仰・芸術との関係を学べる「山梨県立富士山世界遺産センター」があります。
そのほかにも、「ふじさんミュージアム」「釈迦堂遺跡博物館」「ミュージアム都留」など、地域ごとの歴史や特色を知ることができる施設があります。
同じ山梨県内であっても、甲府盆地、峡東、峡南、郡内、富士五湖周辺では、自然環境や発達した産業、暮らしの文化が異なります。
一つの施設ですべてを知ろうとする必要はありません。
まずは自分が興味を持った場所を一つ訪れ、そこから別の地域や時代へと関心を広げていけばよいと思います。
山梨を知ることも学習の一つ
自分が暮らしている地域について知ることは、学校の社会科だけの学習ではありません。
地域の自然、歴史、文化、産業を知ることは、自分がどのような場所で育ち、現在の生活がどのように作られてきたのかを考えることにつながります。
そして、博物館などで見たことを、
「何が印象に残ったのか」
「初めて知ったことは何か」
「もっと調べてみたいことは何か」
と文章にしてみれば、観察する力、情報を整理する力、自分の考えを表現する力も育てられます。
今回ご紹介した施設は、どこも遊びや外出の目的地になるだけでなく、学校で学ぶ内容を実物や体験と結び付けられる場所です。
この秋は、山梨県内にある美術館、文学館、科学館、博物館などを訪れ、まだ知らなかった山梨の魅力を探してみてはいかがでしょうか。
ライト学習塾教室長
吉矢武司
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ライト学習塾
住所 : 山梨県甲府市飯田4丁目11−22
グリーンハイツ阪本102
電話番号 : 055-225-4530
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