読書の秋に訪れたい山梨県立文学館―山梨ゆかりの文学者を知ろう【山梨県甲府市ライト学習塾】
2026/10/06
山梨県甲府市飯田にあるライト学習塾教室長のです。
秋には「芸術の秋」「スポーツの秋」「食欲の秋」など、さまざまな呼び方があります。
昨日は「芸術の秋」として山梨県立美術館をご紹介しましたが、今回は「読書の秋」をテーマに、山梨県立文学館をご紹介します。
山梨県立文学館は、前回ご紹介した山梨県立美術館と同じ芸術の森公園の中にあります。甲府市飯田にあるライト学習塾からも比較的近く、教室の周辺にある学びの施設として、ぜひ知っていただきたい場所です。
美術館と文学館の常設展を一緒に見られる共通券も用意されているため、一日で美術と文学の両方に触れることもできます。共通券の内容や料金は変更される可能性もありますので、利用する場合は事前に確認してみてください。
文学館では何を見るのだろう?
美術館であれば、絵画や彫刻を見る場所だとすぐに分かります。
それに対して「文学館では何を見るのだろう?」と思う人もいるのではないでしょうか。
文学館には、作家が実際に書いた原稿や手紙、愛用品、作品が掲載された雑誌、出版された本などが展示されています。
私たちは普段、完成して印刷された文章を読んでいます。しかし、その文章がどのように考えられ、どのような修正を経て完成したのかを見る機会はほとんどありません。
作家の直筆原稿を見ると、言葉を書き加えたり、削ったり、別の表現に直したりした跡が残されていることがあります。
優れた作家であっても、最初から完成した文章を書いているわけではありません。
何度も考え、書き直しながら、少しずつ文章を完成させていきます。これは学校の作文や記述問題でも同じです。
ライト学習塾が大切にしている『書く力』には、文字を書くことだけでなく、一度書いたものを読み返し、より伝わる表現に直す力も含まれています。
文学館は、そのような文章が作られていく過程を感じられる場所でもあります。
山梨県出身・ゆかりの文学者たち
山梨県立文学館では、山梨県出身、または山梨にゆかりのある文学者を中心に、資料の収集・保存・展示を行っています。
常設展には、山梨の文学風土を紹介するコーナーのほか、山梨出身・ゆかりの文学者、芥川龍之介、飯田蛇笏などを紹介するコーナーがあります。展示される資料は定期的に入れ替えられています。
山梨に関係する文学者には、俳人の飯田蛇笏や飯田龍太、大月市に生まれた山本周五郎、現在の笛吹市石和町出身の深沢七郎などがいます。
また、山梨県外の出身であっても、山梨で暮らしたり、山梨を訪れたり、作品の中に山梨を描いたりした文学者もいます。
例えば、『赤毛のアン』の翻訳で知られる村岡花子は、子ども時代を甲府で過ごしました。太宰治も山梨と深いつながりがあり、御坂峠の天下茶屋に滞在した経験は『富嶽百景』にも描かれています。
教科書に登場する作家を「昔の有名な人」として覚えるだけでなく、自分たちが暮らしている山梨県との関係を知ると、その作家や作品を少し身近に感じられるのではないでしょうか。
作者がどこで生まれ、どのような時代を生き、どのような場所で作品を書いたのか。
そうした背景を知ってから作品を読むと、文章から受け取れるものも変わってきます。
樋口一葉と山梨県との関係
2026年10月10日から12月13日まで、山梨県立文学館では特設展「一葉さん、おじゃまします~模型と写真で再現する樋口一葉の世界~」が開催されます。
樋口一葉が暮らした家や、小説『大つごもり』『にごりえ』の舞台を20分の1の大きさで再現した模型と、その内部を撮影した針穴写真が展示される予定です。文章で描かれた明治時代の家や人々の暮らしを、立体的に見ることができる展覧会です。
樋口一葉は東京で生まれた作家ですが、両親は現在の山梨県甲州市塩山の出身です。一葉自身の作品にも、山梨を舞台にした『ゆく雲』があります。
樋口一葉という名前を、以前の五千円札で知った人も多いでしょう。
しかし、「有名な作家」「お札に描かれていた人」という知識だけで終わらせず、どのような家で暮らし、どのような時代の人々を作品に描いたのかまで知ることで、文学への理解は深まります。
今回の展示は、古い文章を読むことに難しさを感じる子どもにとっても、模型や写真から作品の世界に入るきっかけになりそうです。
小説だけではない山梨の文学
文学と聞くと、小説を思い浮かべる人が多いと思います。
しかし、文学には小説だけでなく、詩、短歌、俳句、随筆、童話、翻訳など、さまざまな分野があります。
2026年秋の常設展では、現在の富士川町出身の芦澤一洋が取り上げられています。
芦澤一洋は、バックパッキングやフライフィッシングの魅力を日本に紹介したアウトドアライターです。展示では、著書や翻訳書、取材ノート、原稿だけでなく、本人が使用していた釣り道具なども紹介されています。
山梨の豊かな自然は、小説や俳句だけでなく、山や釣り、旅について書く文学にもつながっています。
「文学とは何か」を難しく考える必要はありません。
自分が見た景色や経験したこと、考えたことを言葉にして誰かに伝える。それも文学の出発点です。
展示を見るだけではない文学館
山梨県立文学館では、展覧会のほかにも、文学講座、講演会、映画会、朗読会、子ども向けの催しなど、さまざまなイベントが行われています。
2026年10月には、樋口一葉の特設展に関連した針穴写真の講演会や、かな文字を書くワークショップなども企画されています。また、文学作品を原作とする映画の上映も行われています。
本を読むことがあまり得意ではない子であっても、
- 映画から物語に触れる
- 朗読を聞いて文章のリズムを味わう
- 模型や写真から作品の世界を想像する
- ワークショップで実際に文字を書く
- 作家の愛用品から人物像を考える
といった入り方ができます。
初めから難しい文学作品を一冊読み切ろうとしなくても構いません。自分が興味を持てるところから作品や作者に近づいていけばよいのです。
読書の秋に、自分と本との接点を探そう
読書は、国語の成績を上げるためだけにするものではありません。
自分とは違う時代や地域で暮らした人の考えを知り、自分が経験していない人生を文章を通して追体験できることが、読書の大きな魅力です。
また、一つの作品を読んで何を感じるかは、人によって異なります。
「面白かった」「難しかった」だけで終わらせず、
- どの場面が印象に残ったのか
- どの人物の考えに共感したのか
- 自分だったらどのように行動するのか
- なぜ作者はこの表現を使ったのか
と、もう一歩深く考えてみることが、読解力や表現力につながります。
山梨県立文学館と山梨県立美術館は、どちらも芸術の森公園の中にあります。時間に余裕があれば、共通券を利用して両方の常設展を見たり、公園内を散策したりするのもよいでしょう。
開催されている展示やイベントは時期によって変わります。興味を持たれた方は、ぜひ「山梨県立文学館」で検索し、現在の展示内容やイベントの日程を確認してみてください。
この秋は、身近な山梨の文学者を知ることから、新しい一冊との出会いを探してみてはいかがでしょうか。
ライト学習塾教室長
吉矢武司
※展示内容等につきましては山梨県立文学館の公式ホームページをご確認下さい
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ライト学習塾
住所 : 山梨県甲府市飯田4丁目11−22
グリーンハイツ阪本102
電話番号 : 055-225-4530
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